36歳心筋梗塞の記

36歳にして心筋梗塞になってしまった男の顛末記。
もう10年も前の事なので、情報は古いかも知れない。
けれど、これを書いているということは、
10年後も元気に暮らしている…という事です

急性心筋梗塞で倒れる

心筋梗塞の再発か?



アウトかセーフかと聞かれれば、アウトですね。
と医者が言う。
何年ぶりかで受けたエルゴメーターの検査の結果を見ながら、渋い顔をしていたのは
医者だけはなく私もだった。

心筋梗塞を患った方ならご存知かと思うが、エルゴメーターという検査がある。
何を見るのかというと、心臓に負荷を与えてどこまで持つかという検査だ。
具体的には、エアロバイクのようなものをこぎながら、1分ごとに心拍、心電図、血圧を計る。

だいたい12分ぐらいこぎ続けるのだが、私は11分でギブアップした…というより、
ドクターストップがかかったのだ。
診察の後だったが、エルゴメーターの自転車漕ぎは疲れすぎて、
飛び込んだドトールで寝てしまった。
普段運動をしていない上に、ここ2年程マネジメント業務も増えたので
そうとう身体が疲れきっていたことは確かだ。

何年か前も検査結果が悪くて、CTを撮った。
結果それほどでもなく、無罪放免となったのだけど、
今回はちょっと難しいかもしれない。
なぜなら、前回と違うのは自覚症状があるからだ。

ふらつく、ぼおっとする、思考がループする…
およそ心臓と関係なさそうなのだが、これはちょっと予兆のような気がする。

来月CTを撮って再度判断すると言われた。
悪ければ入院加療となる。
仕事の事を考えなければ、ちょっと休憩したい気もする。

とりあえず、それまでは倒れないように注意をしよう。

心筋梗塞は予防できるか? 1



「あんたこのままだと、心筋梗塞になるよ」と心筋梗塞になる前にいわれていたら、 あなたはどうするだろう? きっと何か予防策を講じるだろうとは思う。
けれど、それを信じてその予防策を続けられるだろうか?

人間は悲しいかな、経験していないことを想像するのはあまり得意ではない。
特にそれが、自分にとって不都合なことであるならば、
想像どころか、余計にそこから目を逸らすことが多い。

ある医師が心筋梗塞にかかり、カテーテルを行ない退院した後
「なんと心臓が楽になったことか!」と感想を述べていた。
つまり、以前から血管がつまり気味だったのに心筋梗塞を起こすまで、
「まさか自分が‥」と思っていたのだろう。

医師ですらこうなのだ。
もちろんこの医師が悪いとか、医者の不養生とか非難するつもりは全くない。
私が言いたいのは、誰だってそうなのではないだろうか?

そして、その後も同じだった。
入院以降一応再発防止は意識するのだが、
ふと気がつくと以前とかわらぬ生活になっている。

人間は昨日に対しても、未来に対してもそれほど賢くなれない。
逆に言えばそれを克服できる人が、一歩抜きん出た人物になるのだろう。


心筋梗塞患者とタバコ 1

心筋梗塞になったあとはどうなるか?


実際今の私がそうなのだけど、まあ普通の生活です。
えらく大雑把ですがなる前となった後で大きく違うのは、
タバコを吸わなくなったということと、毎日薬を飲むようになったこと。
このふたつが、心筋梗塞前と後の大きな違いです。


で、タバコと薬のことなのだけど、今回はまずタバコについて書いてみようと思う。
以前は、マイルドセブンを日1~1.5箱を消費していた。
社内ほぼ禁煙状態でこれだから、そうでなければこの倍は行ってたんではないかと思う。


これほど吸っていた私がなぜ止められたのか?
いつから、タバコをやめられたのか?それは‥
心筋梗塞で倒れICUに運び込まれた際に、身包み剥がれてからなのである。

意識が朦朧としているときに、よってたかって身包みはがれてから
かれこれ、18年ずっと吸っていないのである。
誘惑も気の迷いもないのである。
これはなぜなのか???


タバコについては、本当にすっぱりやめられた。

今思うと、タバコを吸っていた時は身体が重かったような気がする。

重いというのは、体重のことではなく意識のようなものだ。
何か血管内に金属的なものがこびりついていたような、そんなイメージだった。

もっとも、心筋梗塞で倒れたから後追いで
そんなイメージを膨らませたのかも知れないが…
ただそれも、タバコをやめてみないと分からない感覚だと思う。

そして、もしタバコを吸っている人がこれを読んだとしたら、
やめた方がいいと思う。
今素直にそう思う。

心筋梗塞と過労死


心筋梗塞と過労死の関係は?
突然死と、過労死の区別がつきにくいという現実があるのだけど、
休日不足や長時間労働による疲労の蓄積やストレスなどの
働き過ぎが原因で起こる突然死を過労死と呼ぶらしい。


その死因の内訳は、
心不全や心筋梗塞など心臓の病気が過半数を占めていて、
その次が脳卒中3割強という結果だそうだ。
中でも、原因不明の心不全が全体の3割以上を占めたそうだ。


けれど問題なのは、全体の72%に高血圧症などの既往症があったという事実。
詳しい調査から見えるのは、生前家族に何か異常を訴えていた人が65%もいたそうだ。


その異常というのが、全身のだるさや疲労感、胸痛・冷汗・息切れ、首や肩の凝り、
手足のしびれ、頭痛などだったらしい。

こんな報告を聞くと、やっぱり定期健診で気になることがあれば、
必ず手当てすることが、死なないための第一歩だと思う。

心筋梗塞も含めて、多くの突然死は予防ができるのだ。


という自分もつい疎かにしてしまう。

ただ、倒れる以前に比べると身体と相談しながら
仕事に当たるということができるようになった。
それでも、結局はムリをしてしまうのだけど。

ただ、一つ思うのはムリをする心根には中ニ病的な心因も少なからずあると思う。
それは「この程度できずになんと根性の無い…」的な根性論。
又は「オレがやらなきゃ、誰がやる?」的な勘違い。。。

だから、いつも「勇気を持って根性なしになろう」と思うようにしている。
「命を賭ける」って思う事は中ニ病的には最高だけど、
本当に死にかけたら「根性なし」でもいいか…と思える。




心筋梗塞と突然死 5



心筋梗塞の予兆とはどんなものか?
心筋梗塞や脳梗塞などは、突然に見えて実は結構事前のシグナルがあるらしい。
突然死に見えても、実はこんな症状があれば心筋梗塞や脳梗塞であった可能性がある
ともいえる。


近ごろ、体がだるく、疲れがなかなか取れない
熱っぽい状態が続いている
なんとなく体調が悪い
頭が痛い
食欲がない
時々胸が痛む
肩こりが激しい
手足がしびれる


私が心筋梗塞で倒れる前に思い当たったのは
近ごろ、体がだるく、疲れがなかなか取れない
なんとなく体調が悪い
という二点。


しかし、そんなもん、いつものこと!と思ってしまうのだ。
実際今思うと、単に普段からなんとなく調子悪かったなあぐらいしか
思わなかった。だから、多くの人が「なんか調子悪い」と思いつつ
医者にも行かないという状態がよく分かるのだ。


でも、「なんか調子悪い」侮ってはいけない。私は心筋梗塞で倒れたが、
間違ってたら、朝起きたら死んでた状態だったかもしれないのだ。